2019年秋号 会長室から〜支部長研修会の成果とは〜

2020/01/17

2019秋号会長室から(PDF原稿はこちらをクリック)

会長室から〜支部長研修会の成果とは〜 担当\ 大原 一純

◆支部長研修会の成果とは、どのようなものをお考えでしょうか?

 支部長は、仕事を持ち無償の奉仕者として、少林寺拳法の創始目的である「社会に役立つ人づくりによる国づくり」という尊い使命を担って頂いております。その指導対象である拳士育成を効果的に指導するための研修会を、ぜひ楽しんで頂きたいと思います。一財連盟は、社会情勢とスポーツ庁、スポーツ・武道界の要請にも沿いながら、かつ、少林寺拳法の独自固有の文化を育む( はぐくむ) ために、指導者同志の交流、学びあいを通じて、時代の課題を捉え、「指導者の魅力と指導方法の向上」を図って頂くサポートを行っております。 一般企業では、「業績」や、新規顧客獲得、受注数、クレーム件数の減少率など、「重要業績評価指数」などが重視されています。しかし、現状の「業績」が、一時的で、バブルの可能性があれば継続・成長にはつながりません。そこで、優良企業では利益追求だけではなく、経営理念に叶ったもの=社会に貢献しているかを重視しています。一財連盟も、俗にいう「業績」や「費用対効果・損益分岐点」などを無視できませんが、「拳士や指導者の、人づくりを通した、感動満足向上」、「活気ある支部づくり・地域づくり」によって、社会に貢献できる人の輪を広げてゆくきっかけづくりが研修会の成果だと思います。

◆2016年度からの5か年計画の進捗はどの程度進んでいますか?

 一財連盟では、発達障がいの特性を持つ人や運動機能の低下、怪我・体調不調者の増加、入会・継続率の低下、体罰ハラスメント問題などの社会状況を捉え、「指導者の魅力づくり、活気ある支部づくり」を重点課題に掲げました。まず、拳士、保護者、学生、支部長、監督など8,000名を超えるアンケートやご意見、文科省、スポーツ庁、日本スポーツ協会の要請や各種事例、教育・スポーツ・健康振興団体などのノウハウなどから、社会状況に適した研修会テーマと内容を検討しています。教えと技法と通じて学んだことを、その時代の社会に活かせるような人財を育てるために、より効果的に指導ができることが一財連盟の責務です。研修会の成果を測るとすれば、まず受講者が、「拳士の現状、保護者の願い」などをとらえた上で、指導方法の向上と自己成長を楽しんで頂けていることが大事です。研修会受講者数は3年間で52%UPと、年々増加しており、リピーターの割合も増えております。スポーツ庁や日本スポーツ協会、日本武道協議会(日本武道館)とも連携し、暴力・体罰・ハラスメント撲滅や、コーチングの推奨セッションも、アクティブラーニング形式で取り入れ、受講アンケートでは、94%以上の方に、評価を頂いております。今後は、「指導者の魅力づくり、指導方法の向上、活気ある支部づくり」の点検と稼働を確認しながら、「教えと技法の具体的指導方法の向上」と、「支部の魅力を積極的広報するノウハウ」を共有し、幸福運動をさらに促進していきたいと思います。

◆受講アンケートでは、どのような 評価やフィードバックがあるのでしょうか?

 3年間にわたり、受講者の皆様には、ストローク(相手の存在を承認する働きかけ)を学んで頂きましたので、まず研修会の良いところや感謝のお言葉を頂き、その上で、改善や取り扱ってもらいたいテーマなど様々な建設的なご意見を頂くことが多くなりました。今回は、講義も実習も、初回受講者用、リピーター用2パターンを用意し、どちらも好評でした。この四年間、各研修会受講者数の減少原因を、アンケートのご協力により改善し続けてきました。しいご意見も大切に取り扱っています。今回のフィードバックと、次年度に向けての検討内容をご紹介します。「やはり昔の講習会の方が良かった。もとに戻して欲しい。」(五人)「コーチングやハラスメントより、技術向上や子供の指導法を充実してほしい。」(一人)「拳士増加なくして活気ある支部にはならない。本部がもっと広報を充実してほしい。」(五人)「空調施設が無い本部は研修会場に適していない。水分補給も不十分だった。」(四人)「本部職員の専門的知識や人権意識、注意指導の言い回しや資料内容を再点検してほしい。」(一人)「目から鱗が落ちる学びがたくさんあった。」VS「次のステージを学びたかった。」(多数)学科の具体的指導法を知りたい」&「医科学・救急法などを学びたかった」(三人)

〔次年度へむけての課題例〕

①学びたいセッションやレベルを選択 制にする。

②同じ課題に悩む受講者同士が、アクティブラーニング形式でグループワークを行う。

③さらに先を学びたい方はeラーニングで学ぶきかっけや方法をアドバイスする。

④支部長のノウハウ(教え、技法、講話、運営などの指導方法)を、指導者が現場で活用できるパッケージとして共有し、研修会中や冊子でもとり扱ってゆく。

◆各種研修会を開催するにあたり、一財連盟内の課題と、職員へどんな期待されていますか? 

 全役職員が、自らの長所や専門分野を磨きながら、同僚の長所と融合させ、受講者満足に取り組んでいます。前述のアンケートでは、まだまだ至らない点、力不足な点が多々あります。現在、教え、技法、講話力、人間力などを磨き乍ら、自発的に学びたいこと、目標をレポートしてもらい、面接の上、外部研修受講や、資格取得などをコーチングしています。これまでに、会報・広報・研修会資料作成に役立つDTPやデザイン研修、健康・安全管理を含むトレーナー・医科学研修と資格取得、危機管理コンプライアンス研修、コーチング・心理学研修、時代に応じた部外講師招聘などの研修会運営マネジメントなど、やる気のある職員をサポートしています。近い将来、彼らが、指導者の皆様をさらにサポートできるようになることを願っています。今後とも、ご理解とご協力を、よろしくお願い申し上げます。